Bar Hotel California.

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尾崎豊。

今日、図書館で偶然「尾崎豊」関係の本を見つけた。

僕はその手の本は読んだことがなかったがちょっと興味があって読んでみた。

それは尾崎の実兄が書いた本だった。

 

 

僕は尾崎豊に数度、会ったことがある。

最初はたしか1985年、尾崎は2枚のアルバムをリリースし、すでに時代の寵児となっていた。僕がCBSソニーでアルバイトをしていた頃だ。だが当時の僕は彼の唄を少々否定していたところがあり、酒場の奥でウイスキーを煽っている彼を見て「自分の弱さを売りにするのは好きじゃない」と彼と会社の先輩に楯突いた記憶がある。


2,3度めは1987年、僕がある音楽事務所にいた頃だ。

あまり細かくは書けないが深夜、いや朝方、僕が事務所で仮眠していたら酔っ払った某ミュージシャンが来て「何寝てんのよ!飲みに行こう!」と無理やり誘われて渋々尾崎を含む豪華4名のミュージシャンと芝浦のクラブで遊んだ事がある。勿論、僕がバイト時代に君を悪く思っていたんだよなんて言えなかったが、その時の尾崎はなんか、少し、大人というか、達観しているというか、ああ時は流れているんだなあと思ったものだ。

 

それから数カ月後、彼は覚せい剤所持で逮捕された。

 

尾崎の実兄が書いた本を読んでいて、ああ、あの時の尾崎はこういう時期だったんだなあとか、1987年なんてレコード会社の移籍や事務所との問題やなんやかんや沢山あって精神的に参っていたんだろうなとか思って、と同時に当時の僕と重ねて色々感慨深い思いにふけった。

 

まあ彼自身のことはそんなに好きじゃなかったが、「尾崎豊」は本当に素晴らしいミュージシャンだと思う。

詩とメロディ、歌声とルックス、そして生き様が彼ほど美しくリンクしているミュージシャンはいない。

あれほど「バブルの時代」だったのにあれほど「渇き」を歌って支持されたのだから。

 

 

家に帰って、改めて尾崎の唄を聴いた。

 

実は僕は尾崎という人間は好きじゃないと言っていたが、同時にどこかでとても共感していたんだと思う。

 

2004年だったと思う。

僕はプロモーションのため、T屋さんとY賀くんと高崎に泊まった。

その日の夜、地元のスナックに入り、カラオケを歌った。

その店はとても落ち着く素敵な店だった。

僕らはかなり酒を飲み、調子に乗って唄を歌いまくった。

朝方、T屋さんが「最後に自分がいちばん今歌いたい唄を歌おう!」と言った。

たしかT屋さんは井上陽水の「人生が二度あれば」を歌った。

Y賀君は曲名は忘れたけど、尾崎の唄だったと思う。

僕は尾崎の「forget me not」を歌った。

思い切り歌った。

酒の勢いもあって、少し、涙が出た。

 

 

 

僕はここ数年、飲食業をやっていたからクリスマスは稼ぎ時で仕事をしていたから、久々の自宅クリスマス。

それも一人でいる。

だから少々センチメンタルな気分になるのもいいんじゃないかな(笑)

というわけで、聴いてください、

尾崎豊の、「Forget me not」

 

皆さん、メリークリスマス。


尾崎豊 -Forget me not('87茨城) - YouTube