Bar Hotel California.

You can check out anytime you like,

柿とパルミジャーノ・レッジャーノ

柿とパルミジャーノ・レッジャーノ、

コレを一緒に食べると美味しいよね。

 

と言いながら、僕はこれを一度しか食べていないのだけれど(笑)

 

あれはたしか僕が30歳くらいの時だったと思う。

昔、お金持ちの弁護士のご自宅のパーティに呼ばれた。

三宿の億ションにお住まいのその方のパーティは豪勢だった。

でもまだ音楽業界にいた頃の僕は天邪鬼だったから「ふん、気取りやがって」と内心思っていたが外面合わせてにこやかに参加していた。

 

手持ち無沙汰だったので部屋を徘徊していたら、キッチンのほうでなんか格好良い雰囲気のオジサンが料理を作っていた。

まだ料理には興味がなかったこの頃の僕にはオジサンが何をしてるのかわからなかったが、素人目にもなかなか手際よくやっているその動きに僕は興味を持った。

僕はそばに寄り「美味しそうですね」と言った。そしたらそのオジサンは「こういう自宅パーティの料理は畏まって作ったって美味くないんだよ。テキトーにテキトーに」と言った。その良い方が妙に素敵だったので「ですよね〜!」と同意する僕。

 

するとオジサンは「これ、喰ってみ?手づかみでいいから喰え」と言ってチーズと柿を手渡してくれた。僕は柿が嫌いだったので「えー?これ美味しくない組み合わせじゃない?」って言ったら「お前、人生損してるよ。いいから喰え!」ってオジサンに怒られた。ソコまで言うならと食べてみた。

 

そしたら、

 

なんと、

 

美味い!

 

ありえないくらいに、美味い!

 

オジサンは「だろ?俺が持ってきた柿とチーズだ。間違いないんだよ」と言った。僕は「本当だ!今度女の子を部屋に呼んでこれを食べさせよう!」って言った。オジサンは「安いのじゃダメだぞ、高いチーズと高い柿で口説け!」と笑顔で言ってくれた。

 

 

 

まだ、僕が自宅でコレをやっていない。

やらない理由は、あの時ほど美味いのは作れないと思うから。

 

そのオジサンは知る人ぞ知る有名店、

 

「ヒラマツ・グループ」の総帥・平松さんだった。

 

 

僕がそれに気づいたのはそれから数年経ってから。

弁護士さんが教えてくれた。

知らないって、怖い。

今思い出しても赤面する。

 

でも、本当に美味しかった。

 

いつかまた、あれを食べたいなあ。

あのオジサンに食べさせてほしいなあ、、、手渡しで(笑)